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私も茶業について三十五年、お客様、生産者、友人、家族に支えられ、お蔭様でいろいろな経験をさせていただきました。勿論、無謀なことも多々ありました。その中で工芸分野の茶筒製作に取り掛かり二十数年、八年ほど前からは小さな立体も作り始めました。
私の代表作の一つとなった「スノウラビット」や動植物など楽しみの中で数多くの製作をしてまいりました。が、しかしその反面、本来の茶業との方向性を危惧し、悩んでいたことも事実です。そんな中でようやく辿り着いたのがこの「茶の妖精の四季」です。
3月を迎えてもなお天候不順の中で、救世主のように現れたお茶の妖精。その茶葉が私たちに健康を与えてくれるのです。日本人の私たちが今、失いかけているもの、それは健康美だと思います。健康美は素直な心と健全な肉体から育まれるものなのですね。
茶樹は丹精込めた清らかな大地に深く根を張って育ちます。そんな中で摘まれた茶葉は私達の心も体もきれいにしてくれます。まさに健康の源なのですね。その信念の中で生まれたお茶の妖精たちは、四季折々の中で今、遊び、精一杯生きていこうと胸を躍らせています。
どうかこの妖精たちに暖かい目を向けていただき、茶業の一翼を担っていけたらと願っております。
うさぎ専門誌創刊号 雑誌「ラビモン」(出版社「源」1,300円5月26日発売)
グラビア6ページに掲載されました。ご笑覧ください。
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博物館第一展示室の正面には、航跡に奔るイルカの群れ、第二展示場の正面にはスノウラピットを展示し、それぞれ両脇のガラスケース全体を丸い穴を開けた焦げ茶色の紙で覆ってあります。そこからそれぞれ中の作品(草木花、鳥獣虫魚、ミニアチュールラビット)を覗くという趣向です。
さて、先般のフェルケール博物館企画・金子たかみファンタスティックワールド展にご来場いただきましてありがとうございました。西野館長プロデュースによる新しい展示は、星のような光を覗くとそこに作品と空間が生み出す夢の世界が広がる演出で好評を得ました。
追記。この期間中にはこのようなこともありました。私の作品を十数年にわたりお買上げ賜りました中村康隆様が5月8日に満百二歳で大往生されました。中村様は大正大学学長や日本仏教会の会長を歴任し、浄土門主で総本山知恩院の門跡であられた方です。90歳の頃、激務から脳梗塞を患われ左半身麻痺、車椅子の生活を余儀なくされたまま重責に就かれていました。
このことはひとえに修行の上に成り立つものでしょうが“生きる”ことの大切さを身をもって示しておられたと思っております。昨年からは名誉門主門跡としてとしてご実家のある清水にお戻りになっていました。それでもお亡くなりになる5日前にこの展覧会に、車椅子でお出掛けいただいていたことを通夜の折に知りました。お孫さんから「本人の強い意志で出掛けたもので、本人が最後に見たものです。思い残すことも無かったのではないか」と伝えられました。私の拙作にと思うと切なく、ただただ感激でただただ涙でした。
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2008年6月 感謝再拝 合掌 |
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金子高見 |
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この春のフェルケール博物館企画展「金子たかみファンタスティックワールド」を終えてからまず一歩の作品展です。私たちの日常は日々変化していきます。また一人ひとりの細胞も刻々生まれ変わりながら現在の自分がいます。その時その時の私を切り取ったものが偽らない現在の私であり私の作品です。人は皆それぞれの個性で成り立っています。ですから人生を愛おしく思います。その今を一所懸命生きていけたらと思っています。
皆様に日々刻々移り行く一人の作者を見ていただけたらと思います。フェルケール博物館の作品とはまた違った姿だと思います。ご高覧ください。 |
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