年の瀬を迎えると、あちらこちらから第九「合唱」の催しが知らされてきます。
この一年の時を振り返りながら、心一つに歌声を合わせることが共感を与えるのでしょうね。今年の締め括りの表紙には九十一羽のうさぎ達が神代杉の上で歌っている「山の上の合唱」を置きました。これは私の母の今年迎えた年の数です。それぞれ明るく高らかに歌っている者や俯いて哀しげな者もいます。戦中戦後と幾多の試練の時を一年一年に過ごしてきて現在の齢の母がいます。ですからこの作品全体でひとりの人間を表しています。第九の「合唱」には、みんなそれぞれの人生を生き抜いてきた人達が集っています。そして高らかに歌うのですね。世界中の紛争や周りの悲しい事件が今年も跡を絶ちません。しかし来年のことを思う今こそ、心を一つに合わせた愛の祈りの合唱なかで過ごしたいものです。 この最後の欄には私のスノウラビットの作品のなかから合唱の歌声に合わせて「歓喜」を入れました。
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