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この6月久しぶりに北海道の旅に出かけました。苫小牧まで往復フェリーに乗船、道内1900キロの車での旅は初めてです。彼の地は学生時代、牧場でアルバイトを経験したこともあり、懐旧の念ばかりがこみ上げてきました。
牧草の高く積み上げられたニオなどは今はひとつも見当たらず赤い屋根のサイロも朽ち果てていく思い出のかけらのようにあるばかりです。それでも牧場は広く清清しい風を運んでいました。6月とはいえ全道たんぽぽの黄色い花と白い綿毛に覆われていて、ところによっては土筆や水芭蕉、鈴蘭、知床半島の沿道には雪がどこまでもあり日本列島の長さを感じました。地図で見ればちっぽけな島国でも季節は確実に南から北へ、また北から南へ寒暖を運んでいるのですね。この旅の道すがら四ツ葉のクローバーを探しては喜んでいた私ですが帯広附近のサービスエリアでパトカーがなぜかゆっくり止まってくれました。そんなに不審に見えたのでしょうかね、手に摘んだ葉っぱを見て不思議そうな若い警察官の顔が浮かびます。道内幾箇所かで見つけたものを本に挟んでいる中年は確かにおかしく見えたかも知れませんね。警察官、立ち去るときそれでも優しく一言「車には十分注意してくださいね」。
炎のような列島のこの夏もようやく余熱に変わってきました。深夜、北の海からウミネコの声が砕け散る波音とともに聞こえてくるような気がします
*「北の海から」。高さ100mm横幅130oの流木にウミネコが乱舞しています。
*今月の茶いれは外洋の高波に乗るカジキマグロです。
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