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私の地元、清水には「清水みんなのお茶を創る会」という生産家、JA,市役所、小売店で作られている組織があります。これがとっても前向き且つ民主的な運営で、私のように碌なお手伝いが出来なくてもいつも暖かく迎え容れてくれます。会合では一つ一つの課題にそれぞれ思いっきりの意見を出し合い、多数決で決定されると、みんな一緒になってそれに従い行動を共にします。これは地元の人たちに清水の素晴らしさを発見、再認識してもらい、若い後継者に将来の夢を育む土壌を作りたいということにあると思います。この会の生産家のひとりは目を輝かせて「僕は冬に茶畑を開墾するのが何より楽しみ、また新芽の伸びてきた頃の朝に、キラリと光る露を見ているとたまらなく幸せを感じる、これをみんなに伝えたい」と言い切ります。この言葉こそが若い後継者を育む、なによりも大切な言葉でしょうね。そんな中で生まれたのが「まちこ」という名のお茶で、これにはほんのり櫻葉の香りがします。今年も新茶パーティーが開かれました。その中で小さなお子様連れの可愛いお母さんが言われたことがとっても印象的でした。「わたし、桜餅を食べて新茶も飲めて、なにか得した気持ちになってとっても幸せ」。嬉しいなあ、こんな素直な気持ちって、私が失いかけていたものをそっと教えてくれました。
表紙・金魚 ゆらゆら ゆらり 夏きらら
茶入れ「夏の辺りに」
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